ダ×エーの思い出
嶽本野ばらの「下妻物語」で登場人物が「ジャスコはすごいんだぜ!」と語るシーンがあります。
私はジャスコよりダ×エーの方がすごいと思っていました。
新潟市の一等地にそびえ立つダ×エー。デパートのようなダ×エー。でもジャンル的にはスーパーのダ×エー。
家族や友達と時間があれば入り浸っていたダ×エー。
ダ×エーにはマジでなんでもあったのです。
でもあるとき、球団を売っぱらい全国各地のダ×エーが撤退していきました。我が街、新潟市のダ×エーも当然。
5年前、東京で働くことになりました。
営業は年寄りばかり集めた会社で、今時飛び込みが主体のなんとも胡散臭い会社。
そこに、ダ×エーで働いていたという60代のオトウサンがやってきました。
いつも威勢がよく、いろんな場面でキレまくっていました。
キレたからといって、売り上げがあがるわけでも物事が好転するわけでもありません。
キレる時間があるなら、仕事をしたほうがいいよなあと思うのです。
なんとなく、ダ×エーはこういう営業さんばかりだったのかなあと思うようになりました。
威勢だけがよく、口ばかりで実績が無く、たまにキレて見せて「オレやってます」アピール…。
会社に力がある時はそれでも十分なお給料をもらえたのでしょう。
結局、そのオトウサンは会社で不満を募らせた営業部長と「いっせーのせ!」で辞め、二人でさらに胡散臭い同業他社へ転職したそうです。
辞めた後にほかの営業さんによると、研修で同行すると「こんな会社、さっさとやめたほうがいいぜー」と吹き込んでいたそうです。
確かに底辺の会社でしたが「ダ×エーというブランドを背負った男のすることか」と考えさせられる出来事でした。
(この会社に在職中は「人として」の問題を悶々と考える日々でした)
ダ×エーと聞くと、幼い頃の甘い記憶と大人になってからの苦い記憶が蘇るようになりましたとさ。